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NPOとP.F.ドラッカー礼賛

tetsuya_odaka

先週の一週間、mezawa氏が出張してきてくれた。
気心の知れた仲間と話をするのは心地よい、と感じた。話の中で、このブログもキチンと更新しよう、という話になった。

前回は珍しく(!?)mezawa氏が投稿してくれたので、今回は私の番。

mezawa氏の投稿の中で「社会的起業(企業)」という話が出てきた。自分がこの言葉を知ったのは、春頃に出た週刊ダイヤモンドの特集だった。
昨年来、不況の状況をwatchするために、継続的に週刊のニュース雑誌(News Week誌)と経済誌(ダイヤモンド誌か、エコノミスト誌か、東洋経済誌)を読んでいる。
「社会的起業」は、「不況」という文脈から発生する「概念」ではないのだが、近辺でもそのような起業話があったりする。


さて、mezawa誌の投稿にある「Table For Two」はNPO法である。
このNPO法人(Non Profit Organization)という言葉を初めて知ったのは、敬愛するP.F.ドラッカーの著書(非営利組織の経営)でだった。ドラッカーは「当たり前のことを当たり前のこととして語る」稀有な存在だった。物事の本質を見抜く力。ドラッカーは自らを「社会生態学者」と名乗って、マネージメントにとどまらず、組織論、社会論、経済論、哲学など、分野を問わない膨大な論述を残してくれた。
日本でも、最近は、NPO法人の活動が活発になっている。ドラッカーは、組織(企業)の原動力としての利潤動機を否定していた
その意味で、ドラッカーにとっては、NPO法人も自身のマネージメント論の範疇としていたのだろう、と思ってしまうのであるが、先の著書を読むと「Non profit organizationだからこそ、マネージメントの本質が問われる」という論調で書かれている。


ドラッカーの残した言葉の中で、強烈に印象に残っているものがある。

第2の人生のための助走には、最低15年が必要である

という言葉である。これは、いくつかの著書に出てくると思う。この文脈の中で、第2のキャリアを見つける場の候補として、NPO法人が挙げられているのだ。

一般の会社の場合、60歳が定年退職である。とすれば、遅くとも45歳から助走をつけないと、第2のキャリアに乗れない、ということになる。ドラッカーのいうことだから、間違いないのだと思う。
日本が極端な高齢化社会になるのは、(ドラッカー流に言えば)「既に起こった未来」であるわけだから、第2のキャリアに乗り遅れてはならない。
45歳が、その転換地点である

自身、今年41歳となったが、「世の中になんらか寄与したい」と思う気持ちが強くなったのを実感する。
それが、NPO法人設立とかそういうことではないのだが、「いい歳のオッサンとして、ちゃんとしたい」という感覚がある。週に1回は通っている市民プールにはNPOの会報がおいてある。新しい号が出ると必ず手にとっている。介護に関係するNPO法人が多い。政府が不況対策として介護分野の人材育成を始めたことと、社会的起業が注目されていることは無関係ではあるまい(であるならば、社会事業の動機と、就業を目指す方々の意識が合致していない恐れがある)。

私のような年齢になると、皆、こういうことを感じるのであろうか。
いずれにしても、意識せずともドラッカーの言うとおりになっている。

EzoGPのあり方として、こういう感覚を取り入れるかどうかは別の話ではあるが、オープンソースプロジェクトという非営利な組織(英語でいえば、non profit organizationそのものだ)のリーダーとしては、一つの方向性ではありえると考えている。